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αオリゴ糖の酪酸産生で腸内環境を改善

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 ATP産生の促進で腸内酸素量を低減
 酸素を必要としない善玉菌を優位に
 腸壁健全化でリーキーガット予防も

 /シクロケム
   東京都中央区、TEL03-6262-1511

シクロケムは、αオリゴ糖が腸内で産生する各種短鎖脂肪酸(SFCAs)のうち、「酪酸(らくさん)」が上皮細胞内でエネルギー源として用いられ、ATP産生を促すことで酸素を消費させ、腸内酸素量を減らすことで悪玉菌不利の環境に導く腸内環境改善のメカニズムを報知した。
 大腸の悪玉菌が減ると同時に善玉菌が増え、さらに上皮細胞を健全化して腸内環境を多角的に改善するとみられている。

αオリゴ糖が
健康やスポーツに有用な
「各種短鎖脂肪酸」を増加
 まず、αオリゴ糖は腸内で短鎖脂肪酸SFCAsを産生することが解明されている。食品機能の研究開発を専門とするシクロケム社のグループ企業シクロケムバイオは、αオリゴ糖がマウスの盲腸内で各種短鎖脂肪酸SFCAsを増加させることを、乳果オリゴ糖(ラクトスクロース)との比較検証により確認した。
 短鎖脂肪酸には、炭素が2つの酢酸、3つのプロピオン酸、4つの酪酸(ブタン酸)、イソ酪酸、5つの吉草酸(ペンタン酸)などがあるが、αオリゴ糖は腸内で主にプロピオン酸や酪酸に変換される。
 青山学院大学駅伝部の原晋監督らがスポーツ能力向上作用で着目した短鎖脂肪酸「プロピオン酸」の研究においても、αオリゴ糖の短鎖脂肪酸産生能が用いられたところだ。
関連記事「αオリゴ糖にスポーツ能向上の研究報告」

短鎖脂肪酸の一種「酪酸」が
 大腸の酸素量を低減
 αオリゴ糖が腸内で生み出す短鎖脂肪酸のうち、今回シクロケム社が光を当てるのが「酪酸」だ。
 酪酸は、上皮細胞に吸収されるとエネルギー源として働き、ATP産生を促して酸素を消費する。
 上皮細胞には血流で酸素が運ばれてくるが、この時、エネルギー源となる酪酸が上皮細胞内に十分ならば、酸素はATP産生に積極的に消費される。
 上皮細胞で酸素が消費されると、腸内に流れ込む酸素量は低減し、善玉菌優位の環境へと導くことができる。
 さらに、円滑なATP産生は上皮細胞の健全化につながり「腸の穴(リーキーガット)」の予防にも繋がると考えられる。
関連記事「腸壁に穴「リーキーガット」の予防を」

酸素のある中でも活動する悪玉菌
「通性嫌気性細菌」
酸素のない環境で活動する善玉菌
「偏性嫌気性細菌」
 腸内の細菌は、酸素の中で生きられるか否かによって「通性嫌気性細菌」と「偏性嫌気性細菌」に分けられる。
 通性嫌気性細菌には悪玉菌のブドウ球菌や大腸菌などの「酸素があっても生育する菌」などがあり、乳酸菌なども含まれている。
 もう一方の偏性嫌気性細菌は、善玉菌のビフィズス菌や酪酸菌、バクテロイデス菌などの「酸素が苦手な菌」である。

酪酸が増えると腸内酸素量が減り
善玉菌が増えて腸内環境を改善
 酪酸によって上皮細胞内の酸素が消費され、「腸内の酸素量が減る」と酸素が苦手な善玉菌は活動しやすくなる。つまり、酪酸が増えると腸内は善玉菌優位となる。慢性的なクローン病や潰瘍性大腸炎などの疾患患者の消化管では、酪酸の産生量が低下し、これらの善玉菌が減少していたことも報告されている。
 シクロケム社は、世界的に腸内環境の悪化が指摘されている現状に対し、こうしたαオリゴ糖の短鎖脂肪酸産生能を周知し、健康食品メーカー向けに企画開発を提案していく方針だ。


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