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キリン×ファンケル 初のコラボ開発

「BASE ピーチ&ザクロ」
忙しい女性の美容をサポート
確かな成分を間口の広い飲料製品で
キリンビバレッジ株式会社 関谷氏
株式会社ファンケル 向山氏、中氏
国民的飲料メーカーのキリンビバレッジ株式会社(東京都中野区)と、人々の美と健康に寄り添う株式会社ファンケル(横浜市中区)が、初のコラボ開発を実施。誕生した「キリン×ファンケル BASE(ベース) ピーチ&ザクロ」について、キリンビバレッジ株式会社マーケティング部ブランド担当主任の関谷祐加氏、株式会社ファンケル健康食品商品企画部部長の向山嘉一氏、同健康食品商品企画部サプリメント開発第二Gの中彩乃氏に聞いた。
――キリン社とファンケル社との初めてのコラボ開発となりました。きっかけはまさしく資本業務提携でしょうか?
関谷 昨年の提携以来、ファンケル社とキリングループとで何をもって「シナジーを生み出す」ことができるかを考えてきました。一緒になったからには、お互いの強みをしっかりと発揮していこう、と。その具体化の一つがBASEと言えます。
――今回、キリン社がコラボ開発で得られるメリットは何だったのでしょうか。
関谷 実は、当社では女性を主なターゲットにした商品や美容領域にフォーカスした商品があまりないのです。美容領域の商品で過去にトライしたこともありますが、中長期的に育成できず、現在は終売してしまっています。
我々が女性向け商品の経験値や知見を課題としていた一方で、今回のコラボ先であるファンケル社は化粧品やサプリメントを中心に「女性から熱い支持」を受けています。
BASEは、そうした女性からの支持を得ているファンケル社の、技術やブランドの力を発揮いただいた商品と言えますね。
――共同開発のポイントになりそうです。
関谷 そうですね。キリンがこれまで持っていなかった不足部分を、ファンケル社の強みで補足いただけたこと。これが1つポイントになっています。
――責任感や重圧も大きかったでしょうか。
関谷 両社の名を前面に出した商品ですので、何かあったらファンケル社にもご迷惑をかけてしまいます。会社としてもかなりシビアに判断をし、お互いの長所を発揮できるように真剣に作り上げました。
――ファンケル社にとっての今回のコラボのメリットとは。
向山 私たちには「サプリメントを多くの方に利用していただきたい」という想いがあります。
美容系の食品カテゴリーですと、コラーゲン飲料などは女性に親しまれている商品形態ですが、サプリメントは若い方の利用率が高くありません。
サプリメントを摂取するという行為自体が、まだ深く浸透していない現状にあって、ではどうすれば多くの方々に愛用いただけるのか――。そこは事業課題として常に考えているのです。
キリン社は、多彩なジャンルで商品を展開されています。中でもビバレッジさんは、間口の広い飲料商品を手掛けておられ、「ペットボトル飲料」は国民的な商品です。
そうした飲料や、我々が普段開発する剤型とは異なった形態で成分を展開すれば、サプリメントのことを知る機会にも繋がります。今回のキリン社との共同開発には、そうしたサプリ普及への布石としても有意義と考えました。
――コラボ開発に至った経緯とは。
関谷 2019年8月に資本業務提携を発表し、コラボ事業プロジェクトが11月頃に発案されました。ファンケル社と初顔合わせを行ったのが12月26日です。当初はまだコロナ禍でなく、話し合いも対面で行えていましたね。
そこから約半年で商品化に至りましたので、通常よりは短期間での開発となりました。今となってはですが、よくぞ作り上げたなと(笑)。ファンケル社が開発にとても協力くださり、ウェブ会議などを駆使して密に連携できたことが大きかったと思います。
今回は飲料製品ということもあり、キリンビバレッジが軸となって開発を進めましたが、パッケージデザインの選定などもファンケル社にご協力いただきました。
向山 今回はキリン社が働く女性の生活サポートというテーマをお持ちでした。
ファンケルは美容分野で様々なサプリメントを開発しており、成分に関する知見を有しています。
そこで「どういうサポートにするか」「どんな成分を選ぶか」という点を協議させていただき、BASE ピーチ&ザクロは「忙しい現代女性のココロとカラダを潤す」コンセプトに合わせ、成分を検討することになりました。
ファンケルが自信をもって薦める成分を、サプリメントではなく、どこでも手軽に利用できる小型ペットボトルで作る。小型ペットボトルであれば、通勤途中でも自販機やコンビニで簡単に買うことができます。
仕事が始まっても、デスクワークのお供として違和感がなく、場所も人目も気になりません。
キリン社が思い描く、そうした「忙しい現代女性のココロとカラダを潤す」商品像に、我々が見合った成分を選び出したというのが全体的な流れになりますね。
――商品形態はキリン社、成分はファンケル社が、お互いに強みを出し合っているわけですね。
関谷 はい。ファンケル社はHTCコラーゲンとバラつぼみエキスの組み合わせで特許を取得されています。
その特許成分が、シーンを問わずに美味しく飲める小型ペットボトル飲料で摂れることがBASEの軸となります。
飲料の強みは、仕事中でも家事の最中でも、いつでもどこでも手軽に口に運べることです。
自販機やコンビニなど、身近なところで買える間口の広さもあります。ファンケル社お墨付きの「確かな成分」を、そうした飲料形態で広く活用いただきたいと考えました。
――BASEのターゲット層について教えてください。
関谷 仕事に家事にと忙しい現代の女性をメインターゲットに考えています。特に20代後半から30~40代の女性をイメージしていますが、もちろん他の世代の女性や、近年増えている美容へ関心の高い男性にもおすすめです。忙しくて自分のケアがままならず、何かしたいのに仕事や家事で余裕がない。そういった悩みを抱える方々ですね。