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緻密な情報分析から生まれるPB商品

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 次世代DGSを拓く「matsukiyoLAB」
 女性にも寄り添う「アスリートライン」
 株式会社マツモトキヨシホールディングス

 商品企画室商品開発課 課長
  櫻井壱典氏

美と健康の事業分野で売上高1兆円企業を目指し、「専門性」×「独自性」で新たな価値創造に取り組む株式会社マツモトキヨシホールディングス(千葉県松戸市)。今回は商品企画室商品開発課課長の櫻井壱典氏に次世代の新業態として創設されたブランド「matsukiyoLAB」のPB商品開発と注目の「アスリートライン」について聞いた。
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――「人」に焦点を当てたmatsukiyoLABの概念は、マツキヨさんならではのお取組みでした。

櫻井 「薬剤師」「管理栄養士」「ビューティースペシャリスト」という専門家が登場し、美と健康をトータルサポートするヘルスケアブランドとして、地域のお客様の健康的な暮らしを支える――。matsukiyoLABブランドのコンセプトは発足当時から変わることなく掲げ続けています。
 背景には、2011年の大震災がありました。コンビニエンスストアのインフラの見直し、商圏の狭商圏化、小売りの同質化など、ドラッグストアを取り巻く環境は厳しくあったのです。
 そこで「ドラッグストアのあり方」を見つめ直し、次世代の業態として創設したのがmatsukiyoLABです。
 全部署が一丸となってプロジェクトを組み、マツモトキヨシでしか買えない商品と人材を介してのサービスが誕生しています。

――当初から「店舗」と「商品」という2つの軸がありますね。

櫻井 2015年9月30日にmatsukiyoLABの第1号店である新松戸駅前店がオープンし、それと同時に9品のサプリメントが産声を上げました。
 そこからmatsukiyoLABの店舗は21店舗に、商品は70品にまで増えています。

――開発の観点からmatsukiyoLABならではの特長を教えてください。

櫻井 matsukiyoLABの店舗には、健康食品のスペシャリストである管理栄養士がカウンセリングを行う「サプリメントバー」があります。生活習慣や食習慣など、健康に関わる様々なことをヒアリングするのですが、そこには新規やリピーターの方からの密度の高い情報が寄せられます。

 ここがmatsukiyoLAB商品の開発において大きなポイントとなっています。

 一般的に店舗で見かける「こういう商品はありませんか?」「それでしたら、この商品ですね」といった通常のやり取りでは、なかなかお客様との距離感は縮まりません。
 matsukiyoLABは物販だけの接客とは異なる次元でお客様との関係を築いており、その中で得られた情報を商品開発に生かしているのです。
 お客様の悩み、寄せられた相談、求められている商品像などを集計し、情報を多角的に捉えて開発時に参考とします。
 最近開発した商品もすべてそうですね。
 機能性表示食品のカテゴリーでも寄せられた声や情報を基に睡眠や記憶力、目の健康に着目した商品を開発しました。

――ニーズを捉えるという点で大事なファクターになりそうです。

櫻井 これらの情報は「定性の情報」となります。
 一方で「定量の情報」も全国店舗の購買データから分析を行っています。
 価値観クラスターという商品DNAがあるのですが、例えば「Aという商品を購入した顧客の美容感度はX」「Bという商品を購入した顧客の美容感度はY」という風に、すべての商品に対して様々な価値観を紐づけており、購入されたお客様の価値観をセグメント化して、求められている価値を細かく分析しているのです。
 マツモトキヨシをコンビニ同様に利用される方、本格的に美容を追い求めて来られる方など、来店されるお客様の価値観はそれぞれです。
 そうしたセグメントを分けて見ることで、例えばPB商品を投入した際に、ターゲットに据えていたセグメントのお客様が、実際に購入されたかを確認できます。
 リニューアルの前後で商品購入者の価値観クラスターに変化が起きていないか――。
 同じカテゴリー内に同種のナショナルブランドでは捉えられていなかった価値観クラスターのお客様を呼び込むことはできたか――。
 商品の導入前後でお客様が何を購入していたかを分析し、可能な限り既存の商品群と被らない層の呼び込みを追求しているのです。

――新しい層を呼び込めているかどうかがPBのポイントでしょうか。

櫻井 マツモトキヨシが掲げるPB投入の理想は、既存のナショナルブランドと共に売上を伸ばしていくことです。
 同一カテゴリーでPBを導入したとして、ナショナルブランドからお客様がただスイッチしたのでは売上は伸びません。
 PBは一見ナショナルブランドのフォロワーのように思えますが、決してフォロワーとして作るのではなく「これまで捉えられていなかった新しいお客様を獲得する」ことが目的です。PB商品の成功はそこにありますし、matsukiyoLABの購買データもそうなっています。
 


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