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口腔衛生に取り組める食品を介護現場へ

インタビュー写真

 シタクリアシリーズ & ジェル開発
 産学連携開発の独自成分DOMAC配合
 UHA味覚糖株式会社

 技術開発セクションリーダー
  執行役員 松川泰治氏

帝京大学と産学連携で開発した独自成分「DOMAC(ドゥーマック)」配合の口腔ケア向けキャンディー「UHAシタクリア」を展開する味覚糖株式会社(大阪府大阪市)が、新たに同シリーズで「ジェル」の開発を遂げた。同社が進める“からだにやさしい”商品作りについて、技術開発セクションリーダー 執行役員の松川泰治氏、技術開発セクションバイオ技術開発デパートメント主任の加藤梨那氏、マーケティングセクションマーケティングBデパートメントサブリーダーの岡本一洸氏に聞いた。

――UHAシタクリアは「口腔ケア」向けの食品ブランドですが、この分野に着目された理由とは。

松川 味覚糖というと「キャンディー」や「グミ」などの菓子類が代表的ですが、そこには虫歯やカロリーといった健康面への配慮が欠かせません。
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 味覚糖は「おいしさはやさしさ」という企業理念を掲げてきました。

 キャンディーやグミによる美味しさの提供は、これまで十全に行ってきたことですが、一方、健康面はどうだったかと。
 顧みたときに、体へのやさしさ――、つまり健康に対して、我々にできることがもっとあるはずだと思い至ったのです。

 キャンディーやグミの食の形態について再考すると「口の中に長時間あるもの」、グミであればさらに「咀嚼(そしゃく)する」という、口まわりの健康に寄与しうる剤形的な性質が見えてきます。
 そこで、味覚糖が培ってきたキャンディーやグミのシーズを、さらに活用しようと考えました。

 その時、タイミング良く真菌の専門機関である帝京大学・医真菌研究センターの安部茂先生が、アロマ系の成分やシナモン、オリゴノール、ライチ由来のポリフェノールなどに、カンジダ菌の繁殖を阻止する機能があることを長年の研究により明らかにされたのです。

 カンジダ菌などの真菌に対するアプローチとして、それら口腔に有用な成分をかけ合わせた独自成分DOMACを産学連携で開発し、口の中に継続的に流れ出すキャンディーとして商品化を構想しました。あくまでも食品で取り組める範囲ですが、そうして口腔衛生向けのキャンディーの企画が始まり、剤形開発と成分開発が手を取り合って完成させたのがシタクリアなのです。

――UHAシタクリアの商品コンセプトとは。

松川 「美味しく食べられる口腔ケア」がコンセプトです。口腔内のカンジダ感染、それに伴うバイオフィルムやバクテリアの増殖。そうした口腔衛生について、日頃から予防に取り組める食品――それが、UHAシタクリアキャンディーです。
 虫歯にならないようにノンシュガーとしており、2017年から発売してきました。
 その後開発したタブレットは、プロタミンのペプチドを加えて改良し、美味しさ重視でラムネ菓子のような味付けにしました。
 有用成分をどのような形で口腔に届け、活かすかを考え、これまでキャンディー、タブレット、小粒タブレット、ジェルと開発を進めてきています。いずれもヒトでの臨床試験を行ってきた商品であることが特長です。

――帝京大学の安部先生との連携にはどのような経緯があったのでしょう。

松川 弊社社長の山田が帝京大学の理事長の冲永様と知り合いだったことがきっかけです。
 帝京大学は実学をモットーに、研究成果の社会への還元を大切にしており、私共もオープンイノベーションといいますか、産学の成果物を世に還元したいと考えていたのです。
 その想いが具体的に形となったのがシタクリアでした。
 今回のジェル商品に関してはパッケージの面積が少ないので載せていませんが、キャンディー商品のパッケージには前面に帝京大学のお名前を表記しています。商品は店頭に並びますので、大学の研究成果が広く社会に伝わることになります。
 真菌を研究する機関は少なく、産学連携による成果物の社会実装はハードルの高いことですが、それを乗り越えられただけの価値はあったと感じています。

――新たにシタクリアのジェルを開発されました。なぜこの食品形態を選ばれたのでしょう。

松川 シタクリアシリーズは健常人向けの予防食品として発売し、以降は口臭の緩和、口腔内の清涼感に関して多くのご意見を頂戴しておりました。
 中でも、私たちがもっとも驚いたのは――介護の世界の実情です。
 より具体的に言いますと特別養護老人ホーム、あるいは在宅医療の現場において、口腔衛生が切実な課題であったということです。

岡本 栃木に、重度の障害を抱える子供たちを日中預かり、家族の日常生活を支援している特定非営利活動法人(認定NPO法人)「うりずん(https://www.npourizn.org/)」という施設があります。


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