HOMEインタビュー一覧 ≫ ロート製薬株式会社「セノビック」2017(2)

健康を支える「薬に頼らない製薬会社」へ

インタビュー写真

 環境や雰囲気を変える本気の健康経営を
 成長期を応援「セノビック」
 ロート製薬株式会社

 取締役副社長 海外事業・技術担当
  兼CHO ジュネジャ レカ ラジュ氏

 
 国や経営者はできません。
 我々ひとりひとりがやるべき事なのです。
 自分の体のこと、健康のことを、自分自身が把握していく。すると家族の面倒も見てあげられるようになりますし、同僚にも促していける。たった一人からでも、気づきを波及させていけるわけです。
 病気になっていないからといって健康かというと、そうでもありません。健康は目に見えません。健康そうに見えて意外と糖尿病の方もいます。スポーツをやっているけれども、疾病を患っている場合もあるのです。
 健康への取り組みは人それぞれ違うのです。
 例えて言うなら太っている人であれば運動や食事に気を付ければいいですし、朝ごはんを食べていない人は朝食をきっちり食べるように気を付けたらよいのです。
 社員各々が自分自身の健康に関心を持ち、必要なことに気づいてもらえるよう、促していく。それが健康経営の一環ですね。

――社員が自主的に取り組んでいらっしゃることはありますか。

ジュネジャ 社会全体的に若者がなかなか朝食を食べられていない状況が指摘されていましたので、ロート製薬も健康経営を掲げる傍ら、調査してみますと、自社内にも朝食を食べていない20代女性がたくさんいることがわかりました(笑)。
 3食を取ろうとするよりも、まず朝食を取ることが大切です。
 そこで社員自らが、朝活というプログラムを作りました。朝、皆で運動をして、会社側からしばらく朝食としてダルーラ(豆スープ)を無償で出して食べてもらったのです。その結果出された感想は「朝食を食べてみると便通が良くなった」「肌の調子が良くなった」といったことでした。体験してもらうのが一番わかりやすいわけですね。 インタビュー写真
 
 ロート製薬には「A(明日の)R(ロートを)K(考える)」という社内参加型の伝統的な取り組みがあります。ARKとは、会社でこういうことをやりたいというのを社員から募り、参画してもらうプロジェクトです。
 ある程度のテーマを掲示して「これに参加しませんか」と募集し、自主的に「わたしも」「わたしも」と集まります。
 そのメンバーで一緒に考えましょう、と発案をしていくわけです。ある程度のミッションやテーマは決まっているのですが、皆が集まれば、あとは自由な発想を持ってアイデアを出し合っていきます。これまでにも「会社の歴史本を作りましょう」「社内外での新たな働き方(副業など)」「社内から健康を考えよう」など、積極的な提案がありました。

――朝食のほか、健康で重要視することは。

ジュネジャ 私はよく、正のスパイラルと負のスパイラルと言っています。
 毎日忙しくて運動ができない。体を動かさないから、朝食を抜いてしまう。夜も午前1時や2時までダラダラと起きてしまい、精神的なストレスを溜めていく。集中できずに仕事も残業となってしまう。こうしたことが、健康にとってどんどん負のスパイラルとなっていくのです。
 そうした連鎖を断ち切って、忙しいけれど少しでも運動をしていく。忙しいけれど毎日朝食は食べるようにする。忙しいけれど、早めに寝ることを心がける。それが正のスパイラルを生み、健康の基本となっていきます。社員に指導するのもそうですが、私自身もそうです。
 また、太っているから不健康、痩せているから健康ということではありませんが、太りすぎも痩せすぎも問題があります。
 大切なのはバランスよく生活していくことです。基準として運動、睡眠、栄養があります。
 そして最後に笑顔ですね(笑)。
 いかにして健康経営を実現するかを考える時、健康は単に体の健康だけを指すものではありません。
 「関係の健全性」も含んでいるのです。ストレスのかかり過ぎない健全な人間関係・環境が、心身の健康にも繋がっていきます。
 ロート製薬では、ストレスフリーな環境を作るために、お互いを「さん付け」で呼び合うことを実践しています。会長や社長、副社長といった経営者も含めて、肩書は誰も付けて呼びません。お客様が来られると、よくびっくりされます(笑)が、しかし、これが健全な会社なのです。

――今後の健康事業について教えてください。

ジュネジャ 問題となっている平均寿命と健康寿命の差を縮めるために、私は2つのことが必要になると考えています。
 それが「再生医療」と「食」です。
 人が抱える課題を解決していくために、ロート製薬は胃腸薬や目薬、外皮用薬などの医薬品から肌ラボ、オバジといったスキンケアブランドまで、さまざまな製品を手掛けています。見渡せばこれもロート、あれもロートと、一体何をやっている会社なのかと思われるかもしれません(笑)。
 ですが、キーワードは一つ。
 健康です。
 その中で、今一番やろうとしているのが再生医療と食品事業なのです。


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