HOMEインタビュー一覧 ≫ ロート製薬株式会社「セノビック」2017(1)

健康を支える「薬に頼らない製薬会社」へ

インタビュー写真

 環境や雰囲気を変える本気の健康経営を
 成長期を応援「セノビック」
 ロート製薬株式会社

 取締役副社長 海外事業・技術担当
  兼CHO ジュネジャ レカ ラジュ氏

卵から発見したペプチド“ボーンペップ”を取り入れ、成長期を応援してきた「セノビック」や、2016年に発売した豆スープ「ダルーラ」など、近年「食」の分野にも力を入れているロート製薬株式会社。今回は取締役副社長 海外事業・技術担当 兼 チーフヘルスオフィサーのジュネジャ レカ ラジュ氏に、ロート製薬の「健康」と「食」事業について聞いた。

――ヘルスケアへの取り組みが活発ですが、指針があるのでしょうか。

ジュネジャ 当社会長の山田邦雄は「薬に頼らない製薬会社」を掲げています。インパクトのある方針ではないでしょうか。製薬会社が、普通そんなことを言えません。 インタビュー写真
 ロート製薬は“製薬”を掲げた会社ではあるのですが、実際には「ヘルスケアカンパニー」なのです。会長や私もそうですが、健康を中心にできることをやっていこうと考えています。
 私は海外事業や技術、商品開発を管轄していますが「チーフヘルスオフィサー(CHO)」という健康を司る責任者も務めています。
 今、健康経営という言葉が流行っていますが、我々はブームや口コミ、マスメディアのためにではなく、本気で健康社員・健康企業を掲げ、健康経営に乗り出しています。

――健康経営はどんなことをされているのでしょう。

ジュネジャ 世の中を健康にするというならば、まず社員が健康であるべきと考えます。そのため、ロート製薬では社員一人ひとりの健康を重んじています。
 企業のステークホルダーの観点からも、会社はただ株主のためだけにあるのではなく、社員や社会のためにもあるわけです。
 会社として健康を中枢に置いた経営を目指していますが、社員に対して「これをやってください」といった指令などは出していません。
 何か特定のことをやってください、では命令になってしまいます。例えば、タバコを止めなさいと強制されると、ストレスが溜まってしまいますよね。
 本人が「これをやってよかった」と喜びを感じ、前向きに取り組めなければ継続するのも難しいです。
 子供に勉強しなさいと押し付けても、なかなかやり始めないのと一緒ですね。自らがやりたいという気持ちにならないと、いくら親から言われても面白くありません。健康も、自分のことですから、他人から命令されると「ほっといてくれ」と思ってしまうわけです。
 なので、健康経営と言いましても、経営者側が何かをするというより、実際には社員自身が取り組んでいくことを目的としています。
 社員が自分たちでプロジェクトを発足し、自分たちで実行していく。経営者がするのは、社員たちの中に入り、気付きを与えていくことです。
 具体的には、私が社員に対して「(健康のために)最近何かやっていることはある?」「こういうのはどう?」と声をかけていきます。気づきを促していくことで、社内が自然と健康的な活動に取り組む雰囲気になっていきます。
 私自身、一年の多くを飛行機の中で生活していますので、健康に配慮していなければ体を壊しかねません。
 そこで、私たち経営層を含めた社員全員に万歩計を持ち歩いてもらい、お互いのデータを見れる環境にしています。誰がどれくらい歩いたかが分かれば話すきっかけが出来て、関心を持ってもらえますし、何よりも自分自身のモチベーションにもつながり健康意識への循環となります。

――商品だけでなく、健康的な環境も包括的に考えているわけですね。

ジュネジャ 日本は健康寿命と平均寿命の差が問題になっていますが、私はよく「解決するのは誰ですか」と聞いています。
 医療費負担が増大し、年金制度の将来性も危惧されている昨今、このままお年寄りの方の寝たきりや認知症が増え続け、一方で子供が少なくなり、さらには生まれてくる子が小さい体で、栄養摂取量も減っているとなれば、今後はどうなってしまうのでしょう。
 今、医療費負担の7割は最後の3年間に使われています。つまり、単純に言えば最後の3年間が健康であれば、国の医療費負担の7割が解決できるようになるのです。
 それを、誰がやるのか、ということです。


次へ
トップへ