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5年で2倍500億円、活気のシリアル市場

インタビュー写真

 人気ブランド「カルビーフルグラ」
 "朝食革命"掲げ、30年の歴史
 カルビー株式会社

 マーケティング本部 フルグラ事業部
  企画部長 網干弓子氏

近年、女性を中心に人気のあるフルーツグラノーラ。さまざまな新商品が登場しており、日本の朝食を色彩豊かなものへと変革させつつある。そのフルグラ市場をけん引するカルビー株式会社のシリアルブランド「カルビーフルグラ」について、マーケティング本部フルグラ事業部 企画部長の網干弓子氏に聞いた。

――フルグラの開発背景を教えてください。

網干 1988年8月にグラノーラを発売したのが、カルビーのシリアル事業の始まりです。もともとアメリカで主食の1つとして根付いていた「シリアル」に着目し、スナック製品で培ってきた食感ノウハウを軸として、日本の方々に適したシリアル開発に取り組んできました。
 カルビーではおよそ10年おきに新事業を手掛けておりまして、1964年に「かっぱえびせん」、1976年に「ポテトチップス」を販売しています。「かっぱえびせん」であれば「エビ」、ポテトチップスであれば北海道の「ジャガイモ」といったように、「産地」や「素材」にフォーカスして新商品を生み出してきたのです。
 そして、ポテトチップスの開発からおよそ10年が経った1988年に、「オーツ麦」に着目して開発したのが「グラノーラ」でした。
 当時は、男女雇用機会均等法が制定され、女性たちが活躍していく時代の先駆けだったという背景があります。当社としては、働く日本の女性たちを応援していこうという想いから、朝食サポートをテーマにしていました。

――働く女性がメインターゲットなのでしょうか。

網干 発売当時は、働く女性、独身の若い方を中心に、忙しく、朝もゆっくりと時間がとれない方々に向けて開発していました。日本人に合ったシリアルをと、さまざま試行錯誤を重ねながら、2002年にいちごを加え、ほぼ現在のフルグラの原型であるフルーツグラノーラが誕生したのです。 インタビュー写真
 その後、2011年からはフルーツグラノーラの商品名を「フルグラ」へと変更し、主婦層に目を向けた開発にシフトしています。というのも、朝食市場を捉える際に、年齢によってもかなり幅があるのですが、実は9割ほどの方々が朝食を摂っていらっしゃるというデータが出ていたのです。
 それまでは、いかに忙しい女性たちの朝を支えていくかをポイントにして考えてきたのですが、それ以降は一層と「質」を意識するようになりました。
 より簡単で、美味しく、健康価値を有した商品を――。
 もっともっと女性を応援したいという想いですね。食物繊維や鉄分といった、女性には特にニーズのある栄養分を手軽に摂れるよう製品設計してきています。

――近年は市場がとても賑わってきましたね。

網干 カルビーフルグラというブランド名になってから6年目に入ります。シリアルの市場規模は2012年頃には250億円ほどに留まっていましたが、この5年で2倍の500億円規模にまで拡大しました。
 それまでシリアル市場がなかなか伸び悩んでいたのには、シリアル製品に対し「お子さま向け」というイメージが持たれていたことが一因となっていたと捉えています。
 アメリカでも子供向けのPRが活発に行われておりましたし、日本もそれに習う形で風潮化してきたという経緯があります。
 そのため、国内のシリアル商品といえば、とても甘く、もっぱら子供向けに設計されたものが主流だったのです。もしくは健康面に特化しすぎていて、極端に味のないものなどがあり、製品が二極化する様相を呈していました。世の中の多くの女性たちにとって、店頭で選択する際にどうしてもネックになっていた点だったといえます。
 甘くておいしいと言いましても、毎日の朝食というシーンで、さすがにパンケーキを食べ続けようという思考にはなりにくいですし、健康に良いからといって味気ないものを続けるのは苦になってしまいます。
 そうしたシリアル製品が抱いてきた課題を打開し、市場を広げてきたのがフルグラです。

――フルグラが評価されているポイントとは。

網干 朝食というのはマーケット的に毎日食べていただくことが重要となりますので、「美味しさ」のところでは食感や味をとても意識しています。特に、継続的に朝食に取り入れていただくという観点で、まず食感を重視しました。
 従来カルビーは食感を作るのが非常に得意です。かっぱえびせんの「サクサク」、ポテトチップスの「パリッ」。
 そのため、カルビーの特徴である食感を一番よく出す方法として、カルビーフルグラではよりザクザク感が味わえるよう、シート状の生地を生成し、その後から粉砕するという製法を採用しています。
 日本人に適した食感を作り上げたうえで、味の面では甘さと酸味の均整を心がけます。フルーツだけでみても、イチゴにはイチゴの、リンゴにはリンゴの、それぞれが特有に酸味と甘みを持ち合わせていますので、さまざまな素材を組み合わせる中で、製品全体の甘味と酸味のバランスが整うように設計しています。
 素材それぞれの持ち味を活かしてフルーツ感を出しつつ、毎日続けられる味に配慮してブレンドし、均整のとれた味を作り上げていくわけですね。
 味については「自分たちが納得できるもの」をという想いがありまして、実際に開発メンバーで試しています。自宅に開発製品を持ち帰って食べ続け、毎日の朝食シーンで、本当に続けやすい味になっているのかどうか。それを自分たちの口でチェックするのです。
 日々食べていただくものですので、視覚的な彩りも大切です。目でも楽しめるよう、お皿に盛った際の色合いを確認しながら素材を取り入れるようにしています。
 そうした食感や味、見た目で楽しめることに加えて、さらに「健康的」であるという価値観が付帯しているところが、フルグラの良さ、強みではないでしょうか。


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