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街の薬局・薬店の新スタイルを全国へ展開

インタビュー写真

 「KAMPO煎専堂(かんぽう・せんじどう)」
 後世にも手軽に漢方を利用できる店舗を
 株式会社タキザワ漢方廠

 代表取締役社長 瀧沢努氏(写真左)
  営業本部・経営戦略室 部長 篠塚昌一氏

全国の街の薬局・薬店向けに漢方・健康食品を製造販売しているタキザワ漢方廠(埼玉県さいたま市)は、気軽に漢方を利用できる薬局・薬店の新スタイル「KAMPO煎専堂(かんぽう・せんじどう)」を展開している。街の薬局・薬店が果たしてきた地域の健康相談の場としての役割――。身体に悩みがあればまず立ち寄って気軽に相談することができた昔ながらの薬局・薬店の機能を再興すべく、同社が発信する新ビジネスモデルについて、代表取締役社長の瀧沢努氏と営業本部・経営戦略室部長の篠塚昌一氏に聞いた。

――「KAMPO煎専堂」とは。

瀧沢 導入いただいた加入店は、1包350円(税別)の漢方煎薬を、購入者自身が手軽に煎じて飲むことができる「漢方セルフ煎じコーナー」を併設していることが大きな特長となっています。
 KAMPO煎専堂は大宮店のモデル店からスタートしてきたのですが10店から20店、30店と、当社が取り引きさせていただいている既存店に着実に導入いただき、さらに街の薬局・薬店の活性化に寄与すべく推進してきました。 インタビュー写真
 しかし、購入者自身が手軽に煎じてその場で利用できる新たな薬局・薬店のスタイルについて、各自治体によって応対が分かれるということが往々にあったのです。
 「やっていいですよ」と快く対応してくれるところもあれば、そうではないところもある。今は掲げていませんが、もともと「漢方BAR(バー)」ということでやっていた部分も、我々としてはさまざまな形のBARがあるなかで、利用者に手軽に利用できる漢方のBARという趣旨で広めようとしていたのですが、ある保健所によっては「お酒」のイメージと結びついてしまうということで謳わないようにと指摘されています。
 また、自治体によっては「こういうことをやるなら天井まで壁をつけなさい」といったように、コスト的になかなか取り組めない要件が設けられたこともありました。
 こうした各自治体・保健所によって見解や対応が異なるため、我々としても展開しづらい状況があったのですね。
 そこで6月に、どうにか統一してほしいということで経済産業省の「グレーゾーン解消制度」を利用しました。
 同制度は、産業競争力強化法に基づき、新事業が規制対象となるのかどうか、事業者がはっきりと確認できる制度です。政府に照会し、事業の所管大臣から規制の所管大臣への確認を経て、回答を得ることができます。
 今回の薬局・薬店に漢方のセルフ煎じコーナーを設置する場合は、事業は経済産業大臣、規制は厚生労働大臣となります。
 薬局及び店舗の施設内に、漢方煎薬を購入した顧客が自ら煎じて服用できる「漢方セルフ煎じコーナー」を設置することについて、薬局等構造設備規則上の取扱いを経済産業省と厚生労働省が検討した結果「当該コーナーが薬局等から明確に区別され、当該薬局等の衛生状態に影響を与えないよう管理されるものであることから、薬局等構造設備規則に抵触するものではない」との明確な回答が得られたのです。
 これにより、線(ライン)なりパーテーションなどで、ここからここまでは漢方セルフ煎じコーナーであると区別し、衛生面を保っていればなんら問題がないと、政府からお墨付きをいただけたのです。
 届け出ではあるので、保健所によって考え方は多少違う面はあるのですが、それでも、今まで「やってもいいが、何かあったら自己責任ですよ」「PRしてはダメですよ」という状況は打開されましたので、そこからの展開には勢いがつきました。
 6月から毎月の加盟店申し込み件数は、右肩上がりに急増し、現在、飛躍的に展開しはじめています。

――「KAMPO煎専堂」の読み方も当初とは変わりましたね。

瀧沢 今は「かんぽう・せんじどう」と読んでいます。「せんせんどう」ですと、一般の人の耳に入っても、すぐに煎じる漢方が想起されづらかったという難点がありました。また、一般に想像する漢方というのは「粉薬」といった「お医者さんの漢方」の方なのですね。
 そうではなく、当社はもともと昔ながらの「煎じ薬」を重視して取り組んできておりますので、このことをより伝わるようにとの意味も込めて、読み方を変更しました。名称の漢字を見れば漢方を煎じる専門の店というのはわかるのですが、そこを耳で聞くだけでもわかりやすくするため、専門の「専」を「じ」と読むようにし、ロゴにもローマ字を追加しています。

――KAMPO煎専堂を展開した背景とは。

瀧沢 街の薬局・薬店というのは、敷居が高くてなかなか入りにくいという傾向があり、長きにわたる国内の経済低迷に加え、ドラッグストアの店舗大型化や郊外進出、医薬品のインターネット販売・コンビニ店頭販売解禁などが影響し、数が顕著に減少している傾向にあります。


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