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マツキヨ新ブランド「matsukiyoLAB」

インタビュー写真

 東日本大震災を機に、DGSの専門性を追求
 全部署が一体でつくるマツキヨの新業態
 株式会社マツモトキヨシホールディングス

 商品戦略室 商品開発担当 主査
  櫻井壱典氏

次世代ヘルスケア事業としてマツモトキヨシ(千葉県松戸市)が新たに打ち出したブランド「matsukiyoLAB(マツキヨラボ)」。ドラッグストアの専門性を追求した「店舗サービス」と、新しい健康食品の「プライベートブランド」という2つの軸によって、新業態モデルの構築を目指していく。マツモトキヨシの新たなスタイルとPB商品について、商品戦略室の櫻井氏に聞いた。

―新ブランドが誕生した経緯とは。

櫻井 大きなきっかけとなっているのは、2011年の東日本大震災です。弊社は地震発生後速やかに、被災地に薬剤師を派遣し、被災された皆様から多くのご相談をいただきました。その報告を受け、我々ドラッグストアとして、美と健康の分野でもっと専門性を強化し地域に貢献できるかたちはないかとの課題を持って取り組んできたのです。一方、この震災を契機に、主婦や高齢の方を中心として、店舗に対する価値観に変化が起こりました。ドラッグストアが安いといっても、店が遠ければ「近場のコンビニでいいかな」と思われるようになってきたのです。近くて便利という点で、コンビニは客層を広げることになりました。 インタビュー写真
 さらに、小売業界において、食料品は生鮮を除けばスーパーやコンビニ、ホームセンター、ディスカウントストア、ドラッグストアなど、どこでも購入できるようになっています。つまり「小売の同質化」が進んでいるのです。商圏の小商圏化が進んできたところへ、コンビニが新客層を獲得しはじめたことによって、さらに「狭小商圏化」する傾向もみられてきました。
 小売の同質化、商圏の狭小化という背景にあって我々は、『ドラッグストアには、まだまだできることがある。まだ足りていないものがある』、『より専門性を高めて、業態として確立していかなければならない』と考えました。
 重視したのが、お客様と接する「人材」と「オリジナル商品」です。マツキヨグループでしか買えない商品と、マツキヨグループでしか受けられない人材を介してのサービスという、ドラッグストアとしての専門性を追求した高付加価値に、大きな差別化ポイントを置いたのです。
 近年、プライベートブランドの価値観も「プレミアム感がある」「価値あるモノ」として評価をいただけるようになってきています。以前までは、どちらかというとPBは「価格の安い商品」と思われる節がありましたが、時代の移りとともに人々の印象も変わってきました。
 マツモトキヨシはmatsukiyoブランド全体として「日本の暮らしを、楽しくする」ことをビジョン(目指す姿)に掲げています。価値あるオリジナル商品、専門性の高いサービスを提供することで、お客様の暮らしを楽しくしたい――。 
 そうした理念をもって、2014年マツモトキヨシの全部署が一体となって「新業態開発プロジェクト」を発足いたしました。人事部であれば店舗でサービス提供する人材の教育をするといったように、すべての部署がそれぞれの役割の範囲で新業態の創出に取り組んできたのです。

―マツモトキヨシPBといえば「MKカスタマー」でしたね。

櫻井 もともとMKカスタマーというのも当時の開発意図がありました。マツモトキヨシは1990年代からオリジナル商品を展開してきましたが、バブルの崩壊という時勢に合わせて価格を軸にしていたわけです。
 当時はまだ、PB商品というと「安い価格」のイメージを持たれがちでしたので、あえてマツモトキヨシの名は出していませんでした。
 しかし、2006年にスタートしたMKカスタマーは「お買い得感のある価格」と「高品質・高付加価値」という2つの軸を持ち、時代のニーズにあわせながら進化をしてきたのです。
 今では、PBがプレミアム感のあるもの、価値あるものとして評価を得ている時代になっており、ドラッグストアとしても独自性や専門性を高めたサービス・商品を打ち出す必要がある。ですが「MKカスタマー」という名称のままでは、マツモトキヨシのオリジナル商品であることがなかなか伝わりません。
 そこで今回のオリジナルブランドでは「マツキヨ」という愛称をブランドのロゴに打ち出し、日本の方々にはもちろんのこと、海外の方にもすぐにわかってもらえるようにしたのです。

―「matsukiyo(マツキヨ)」と「matsukiyoLAB(マツキヨラボ)」。2つに分けた理由とは。

櫻井 次世代ヘルスケアブランドとしての「matsukiyoLAB」が、全体ブランドの「matsukiyo」と大きく異なるのは、より専門性の高い「人が登場してくる」という点にあります。
 ネット化が進んでいる中にあって、人の教育、人を介してというのはむしろ大事であり、店頭販売というのは人と人が接する点で重要な場所だと考えています。matsukiyoLABでは人の教育に力を入れて「薬剤師」「管理栄養士」「ビューティスペシャリスト」という専門的な人材がブランドの中に登場するのです。ここが他にはないコンセプトとして、自負している点ですね。
 matsukiyoLABは2面性を持ったブランドになっています。新松戸駅前店や本八幡駅前店などの次世代ヘルスケア店舗として、「ヘルスケアラウンジ」「ビューティーケアスタジオ」「サプリメントバー」という人を介した3つのサービスを組み合わせたブランドという面です。
 そしてもう一つが、専門家が推奨し、美と健康をトータルサポートする商品ブランドという面があります。
 ヘルス&ビューティーとして特化していくのもそうですが、暮らしそのものを楽しくしていきたいという理想がありますので「日本の暮らしを、楽しくする」というビジョン自体は、全体のmatsukiyoブランドと変わらないですね。

―ロゴやパッケージへのこだわりとは。

櫻井 「マツモトキヨシ」のカタカナロゴは斜角度が19度になるように設計してあります。右肩上がりに斜め前に力強く進むという意思が込められていまして、私たちはこれを「matsukiyoスラッシュ」と呼んでいます。
 新ブランドにおいてもこの想いは同じですので、ロゴにある斜めの切り込みの角度も19度のmatsukiyoスラッシュが入っています。 インタビュー写真
 実はmatsukiyoLABのパッケージに描かれたカラーにもこだわりがあります。ビタミンCなら黄色、ブルーベリーなら紫といったように、栄養成分それぞれのイメージに合わせたカラーを取り入れているのです。


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