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αオリゴ糖、乳化作用でも多分野に長所

新製品写真

 包接現象を超えるメカニズムを解明
 脂肪鎖とαオリゴ糖が大きな輪を形成
 世界的な食糧問題を視野に新食品開発も

 /シクロケム
   東京都中央区、TEL03-6262-1511

シクロケム(東京都中央区)は、スーパー難消化性デキストリンこと「αオリゴ糖」が発揮する乳化作用について、添加する濃度によって粘度を調節できるメカニズムを解明した。油分カットのドレッシングや卵不使用のマヨネーズ、世界の食糧問題を見据えた植物肉のテイスト開発などを推進しており、幅広い食品分野での利用を促している。
 すでに確認されていた「1gのαオリゴ糖が9gのコレステロールを排出する」機能の作用機序を究明していくうちに粘度の調節に有効であることが分かった。
 αオリゴ糖はバケツ状をしており、その内側に様々な成分を取り込む「包接」機能がある。油分も包接することができるが、αオリゴ糖の分子は油分(トリグリセリド)の分子よりも大きいため、本来、1gのαオリゴ糖で9gの油分を包接することはできない。そのため、これまでは単なる包接現象としては説明できなかった。

多くの脂肪酸を取り込むメカニズムを解明

 そこで、同社は神戸にある研究施設で包接時の状態を研究。αオリゴ糖が、中性脂肪が持つ3つの脂肪鎖のうち1つだけを包接することによって、その他の二つの脂肪鎖同士がファンデアワールス力で結びつき大きな輪を形成することを明らかとした。
 この大きな輪は外側が親水性、内側が疎水性となっており、αオリゴ糖の大きさに関わらず、より多くの油分を取り込むことができるのだ。このメカニズムを利用すると、水と油(50:50)に、わずか1%から2%のαオリゴ糖を混ぜるだけで安定した乳化状態にすることができる。 食品原料開発写真
 
様々な用途で活躍する乳化作用

 αオリゴ糖の乳化作用を用いれば、一般的に40%以上含まれるサラダドレッシングの植物油を、同様のドレッシングとしながらも30%にまで低減することができるようになる。
 マヨネーズやケーキミックスについても、通常必要な油分をカットでき、エッグフリーで開発することも可能だ。
 スペインで実際に販売されているココアシェイクは、αオリゴ糖の乳化作用により、シェイクすればどこであってもふわりとした飲み心地が得られるとして人気が出ている。

動物肉の食糧問題にも画期的なαオリゴ糖

 世界的な人口増加に伴って動物肉の食糧需給問題が指摘される中、アメリカでは植物肉の開発が進められている。要になるのは、植物由来でいかに動物肉と同様の食感を作れるかという点だ。その食感作りの分野においてもαオリゴ糖の乳化作用は画期的に働く。本物の肉でなくとも、肉と同様のテイストを持たせた植物肉を開発することができるのだ。
 同社ではこれまで、αオリゴ糖それ自体が有する「飽和脂肪酸の選択的排出」「1gのαCDで9gのコレステロールを排出」「デンプンと砂糖の双方における血糖値上昇抑制」「細菌発酵による腸内環境の改善」といった機能性や、CoQ10、レスベラトロール、フェルラ酸、クルクミンなどの生体利用能を向上させる数々の研究成果を挙げてきた。
 今後は、そうしたαオリゴ糖の機能面に加えて、さまざまな用途で活用できる乳化作用についても、研究開発と提案を強化していく方針だ。


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