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αオリゴ糖に動脈硬化防止の新知見

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 アテローム性動脈硬化を有意に抑制
 高脂肪餌でも低脂肪餌と同程度にまでに
 腸内細菌の増減が相関関係に

 /シクロケム
   東京都中央区、TEL03-6262-1511

シクロケム(東京都中央区)は、研究開発を進めるスーパー難消化性デキストリンこと「αオリゴ糖」で、新たに究明されたアテローム性動脈硬化の抑制に関する新知見を報知した。
 内容は、2016年12月に学術誌「Molecular Nutrition & Food Research」に受理された論文で、米国National Institutes of Health(NIH)のSakuraiらのグループが投稿した。
 動脈硬化とは、動脈の血管壁が厚く硬くなり、本来の機能を発揮できなくなる状態のこと。血管内膜が危険因子によって障害を受けるとコレステロールや様々な細胞が血管の内側に蓄積し粥腫(アテローム)を形成し、やがて病変する。
 その結果、血管の通りが狭まり、発生した血栓や潰瘍を原因として、狭心症、心筋梗塞、脳梗塞、大動脈瘤、手足の壊死などが起こることが知られている。

αオリゴ糖摂取によるアテローム性動脈硬化抑制を確認
 試験は、アテローム性動脈硬化を引き起こした8週齢のApoE欠損マウスを用いて検討。低脂肪餌(LFD)群、高脂肪餌ウェスタンダイエット(WD)群、WD+αCD(1.5%)群、WD+βCD(1.5%)群、WD+イヌリン(1.5%)群の5群に分け、11週間飼料を与え続けた後、大動脈の病変部位を観察した。
 その結果、低脂肪餌(LFD)群に比べ、高脂肪餌(WD)群は病変部位が多くなったが、高脂肪餌(WD)にαオリゴ糖を1.5%添加した群は、アテローム性動脈硬化の進行抑制が報告されているイヌリン(1.5%添加)群よりも病変部位の増加を抑え、低脂肪餌(LFD)群と同程度にまで抑制できることが確認された。
 試験では、血中、肝臓中、糞中の脂質量も調査しているが、各成分の投与量が1.5%と僅かであったため、有意差は認められなかった。

腸内細菌の増減が動脈硬化と相関関係に
 ところが、各成分の投与量が僅か1.5%であっても、有意差が認められる項目があった。
 ――それが、腸内細菌叢だ。
 腸内細菌の中で「コマモナス科」の細菌は高脂肪餌(WD)群で全く増加しなかったのに対し、αオリゴ糖1.5%添加群では有意に増加。この科に属する菌の増減が、アテローム性動脈硬化の病変部位の面積の増減と負の相関関係であることが分かった。
 一方、「ペプトストレプトコッカス科」の細菌は高脂肪餌(WD)群で増加傾向にあり、αオリゴ糖1.5%添加群では減少傾向に。これにより、この科に属する菌の増減が、病変部位の面積の増減と正の相関関係にあることが示唆された。
 また、科レベルだけでなく、属・種のレベルにおいても、αオリゴ糖摂取による細菌の増減と病変部位の増減に正・負の相関がみられ、αオリゴ糖を摂取することで動脈硬化による病変が減少することが明らかとなった。
 同社では、病変部位の減少にはαオリゴ糖によって増加した腸内細菌の代謝産物が影響しているとみて、これまで重ねてきた研究成果と合わせて考察し、さらなる研究開発と有用性の啓蒙に取り組んでいく。


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