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不安定の辛み成分MTBIを安定化

新製品写真

 「ダイコンαオリゴパウダー」
 水を加えていつでも大根おろしに
 有意な抗肥満作用を確認

 /シクロケム
   中央区日本橋、TEL03-6262-1511

シクロケム(中央区日本橋)は、スーパー難消化性デキストリンとして提唱する環状オリゴ糖であるαオリゴ糖を用いることで、大根に含まれる健康的な辛み成分「MTBI(4-メチルチオ-3-ブテニルイソチオシアネート)」を安定化することに成功した。
 水を加えればいつでも「大根おろし」ができる「MTBI含有ダイコンαオリゴパウダー」として、新市場の可能性を持つ製品の企画化を促している。
 MTBIとは、練ワサビに含まれるAITC(アリルイソチオシアネート)と同様に、すりおろした際に酵素によって生成される辛み成分だ。 インタビュー写真
 “チオ”という言葉は、酸素原子(O)が硫黄原子(S)に置き換わった化合物を指し、生体外でなく生体内で発生する硫化水素(H2S)は優れた抗酸化作用を有している。このチオという名を有する練ワサビのAITCには、抗糖尿病や抗肥満効果が報告されており、チオの化合物を2つ持つMTBIには抗菌作用など有益な機能性があることが知られている。
 だが有益ながら、MTBIは非常に不安定な物質であるため、大根をすりおろした直後から分解が進み、そのままにしておくとすぐに辛みが損なわれてしまう。また、大根加工食品においては、変色や硫黄臭の原因になるため、これまで「大根おろし」という形状での製品化は困難とされてきた。
 そこで同社は、さまざまな健康成分において安定化を実現してきた環状オリゴ糖を用い、MTBIの安定化を検討。α、β、γそれぞれの環状オリゴ糖すべてにおいて安定性が向上することを確認した。さらに、特に効果の高かったαオリゴ糖において容量依存的にMTBIの安定性が増すことも明らかにした。

ダイコンαオリゴパウダーの抗肥満作用
 MTBIの安定化に成功した同社は、その機能性についても着目し、抗肥満作用を検証。マウスを普通食、高脂肪食、高脂肪食+MTBI-αCD(ダイコンαオリゴパウダー)の3群に分け、100日間の体重推移を観察した。
 その結果、高脂肪食のマウス群で明らかに増えていたマウス群に比べ、高脂肪食とMTBI-αCDを併せて摂取していたマウス群は、普通食のマウス群とほぼ同様の体重推移となることが判明した。このことから、ダイコンαオリゴパウダーが過食による体重の増加を有意に抑え、抗肥満に役立つことが示唆された。
 同社は今後、安定化により利用能が向上したMTBIの製品開発を推進していく方針だ。


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